増える散骨とその背景

時代の移り変わりとともに冠婚葬祭におけるセレモニ−の方法も多岐にわたるようになり、現在では埋葬の方法にもさまざまな選択ができるようになりました。

「散骨」というのもその中のひとつです。



火葬した骨を粉砕して海に撒いたり、山に埋めたりと自然に還すという意識で近年静かに広まりつつある埋葬の方法ですが、散骨を選ぶ人が増えつつある背景には、近年急激に進んだ少子化によってお墓の後継者をどうするかという問題などが無関係とは言えないのではないでしょうか。

家の長男が先祖代々のお墓を守っていくというのが日本の伝統でしたが、少子化が進んだ現在ではひとりっ子が少なくはなく、ひとりっ子同士の結婚というのもめずらしいことではなくなりました。



そうなると誰がお墓を継承していくのかという厄介な問題が起こり、それが元で親戚づきあいに亀裂が入るということもあり得ないことではなくなりました。



また、夫の両親と折り合いが合わなかったため死んでからまで同じお墓に入りたくないという女性も少なからず存在します。

こういった背景を踏まえて、今後も散骨という葬法を選ぶ人がますます増えることは予想に難くありません。

それに伴って墓じまいという考え方も広まっていくかもしれません。このように伝統的なお墓の在り方は今後も変化していく可能性がありますが、故人が生前に望んだやり方で埋葬することができるという意味では、こういった風潮を歓迎するという人もたくさんいるのではないでしょうか。